働きがい心理学

働きがいとは何か

働きがい = 働く甲斐のある状態 (働きがい創造研究所の定義)

働く甲斐のある状態とは、自分が取り組んでいる仕事に対し、「取り組んでいて良かった」と思えている状態のことを指します。取り組んでいて良かったと思えるためには、仕事が自身の情熱を傾けられるものであることが大切です。しかし、実際は自身の情熱が何なのかを理解している人は少なく、目の前の仕事を生活のためだと、「あきらめ」を含めた思いでこなしている人が少なくありません。仕事をこなす状態は、我慢の状態を導き、仕事が苦行になっていってしまいます。もちろん、楽な仕事ばかりではありませんが、働きがいにつなげられるような、「楽しめる仕事」にしてく必要があるのです。

働く甲斐のある状態を創るために

目の前の仕事に楽しさを感じ、働きがいにつなげていくためには、どうすれば良いのでしょうか? 世の賢者は口を揃えて、幸せになるための秘訣は、「汝を知ること」であると語っています。つまり、働きがいを感じるためには、自身の情熱の源泉を知る必要があるのです。では、どのように自身の情熱の源泉を知れば良いのでしょうか? ここに当社が提唱する「働きがい心理学」が役に立ちます。働きがい心理学のベースは、自己重要感です。自己重要感とは、人は自分自身のことを価値ある存在だと思いたいし、他人からも自分のことを価値ある存在だと思ってもらいたいという究極の欲求のこと。誰しも深層心理に、「自分を認めてもらい、自分の存在価値を確かめたい」という究極の欲求を生まれながらにして持っているのです。

自己重要感は自分軸のアライメントによって得ることができます。アライメントとは、整列や一列に並べるといった調整ことであり、車のタイヤのアライメントを思い起こすとわかりやすいでしょう。自分軸のアライメントは、自身の思いや取っている行動を整理し、一貫性のある状態を作り上げることです。図の通り、自分自身を構成する意識の階層を知り、各階層を一貫性のある状態にしていくことによって、自己重要感が満たされ、携わる仕事に情熱を感じ、「働く甲斐のある状態」を作ることができます。以下、働きがい創造研究所社長の田岡英明の意識の階層を示してみました。

社会システム:働く人の笑顔が広がる
自己認識:人と組織の変化を誘う
信念・価値観:人と組織の成長が大切
能力:コミュニケーションスキル
行動:意見を引き出し、知見を伝える
環境:研修を含めたワークショップの場

いかがでしょうか? 一本の軸が通っていることにお気づきいただけたのではないかと思います。このような状態になっていると、仕事に情熱と楽しさを感じられるようになり、それが働きがいにつながっていきます。

自己重要感を高めるために

組織に属する誰もが、自身の仕事に情熱と楽しさを感じられるように。そして、そのベースとなる自己重要感を育んでいくために。働きがい創造研究所では、「自己重要感を高める7つのポイントと5つの実践」を提唱しています。世の経営者・管理職の皆様には、ぜひ下記を踏まえて、ご自身の会社・組織・チームのマネジメントに取り組んでいただければ幸いです。当社も全力でご支援させていただきます。

自己重要感を高める7つのポイント

ポイント① システム思考
仕事がもたらす社会システムへの好影響を感じられる
ポイント② 使命感
現在の仕事に明確な意義や目的を感じられる
ポイント③ 価値観
自身の大切にしていることを、仕事で感じられる
ポイント④ 有能感
目の前の仕事をやり切れると自身で思える
ポイント⑤ 習慣化
チャレンジブルな目標に向けて、具体的な行動ができる
ポイント⑥ 学習モデル
職場における行動の結果を振り返り、成長に繋げることができる
ポイント⑦ コミュニケーション
良好な人間関係を築き、気付きやフィードバックが得られる

自己重要感を高める5つの実践

働く個人に求められる5つの実践

実践➀ 自己理解 
定期的なピットインで自分軸を確認する。
実践➁ 動機形成
会社のビジョンと自身のビジョンを行動ベースでつなげる。
実践③ 相乗理解
他者理解と自己理解が進む
コミュニケーション力を上げ続ける。
実践④ 機会成長
会社の内と外に、学びや人脈形成の場所を持つ。
実践⑤ 習慣行動
目標に向かった「今の行動」に集中する。

組織や上司に求められる5つの実践

実践① 相互理解
自己開示から相互理解が進んでいくように、
コミュニケーションを仕組化する。
実践② 動機形成
定期的なピットインの場を用意して、
会社のビジョンを個々の役割に落とし込む。
実践③ 協働意識
互いの自己重要感を高め合う仕掛けを導入する。
実践④ 切磋琢磨
人と組織が成長する学びやフィードバックの
機会を仕組み化する。
実践⑤ 評価納得
人の行動を支援するための仕組みを整える。