働きがいや生きがいを育む為の自身への処方箋その1〜心の土壌を耕す〜
働きがいや生きがいを育む為の自身への処方箋その1〜心の土壌を耕す〜
自身の中で働きがいや生きがいを育むためには、植物を育てるのと同じような作業が必要となります。「①土壌を耕し、②種を植えて、③水と栄養を与える」といった作業です。順番に見てまいりましょう。
その1:心の土壌を耕す
今の仕事や生活に対して、「何かつまらないな・・・」とか「このままでいいのか・・・」と悶々としている状態であるならば、現在の思考や行動が変わらない限り、残念ながら同じ状態が続いてしまいます。同じ思考や行動は、同じ結果をもたらしていくからです。思考や行動を変えるためには、現在の状況を明確にして、その状況を導き出している原因を探っていく必要があります。固まった土壌に種を蒔いても、何も育ちません。現在の心の状態を確認して、ほぐしていく必要があるのです。では、どのようにほぐしていくのか、順番に見てまいりましょう。
○8つの領域を点数化する
人生を構成する8つの領域の現状を10点満点でスケーリングしてみましょう。スケーリングすることによって、うまくいっている領域とうまくいっていない領域が明確になっていきます。
1、キャリア
2、お金
3、健康
4、友達・家族
5、愛情
6、自己の成長
7、娯楽・趣味
8、周りの環境
例えば、キャリアは8点、お金も8点、健康は6点、友達・家族は6点、愛情は5点、自己の成長は7点、趣味・娯楽は4点、周りの環境は7点だったとすると、仕事はうまくいっているのですが、プライベートの面で少し問題があることに気づいていったりします。この8つの領域は、バランスホイールといった円で見ていくことで、その歪な部分が浮き彫りになります。ホイールがうまく回転していない原因を探り、うまく回転させるために何が必要なのか考えていきましょう。
○8つの領域それぞれの“普遍の変化のサイクル”におけるフェーズを確認する
実践心理学NLPの世界的に知られたトレーナーであるティム・ハルボムとクリス・ハルボムが開発した概念に“普遍の変化のサイクル”というものがあります。地球上に存在するものは、すべて7つのフェーズを経験しながら成長していくといった概念で、人生の様々な局面もこの7つのフェーズを必ず経験していくとされます。人生を構成する8つの領域のそれぞれが、現在どのフェーズにあるのかを明確にすることによって、これからの行動を考えていくことができます。では、7つのフェーズそれぞれについて、植物(樹木)を例にして説明してまいります。
1、創造のフェーズ:芽を出す
2、成長のフェーズ:茎を伸ばし葉ができてくる
3、成熟(複雑)のフェーズ:茎が複雑に広がり、葉が茂っている
4、動乱のフェーズ:葉の一部が黄色くなり始める
5、カオス:葉の全体が黄色くなり、木の全体に広がり始める(実をつける木であれば、実が腐り始める)
6、ドロッピング・オフ(手放す)のフェーズ:葉や実を落とす
7、休眠:次の春の準備のためにエネルギーを蓄える
7→1、休眠を経験した後、次の創造のステップに入っていく:次の成長に向けた芽を出していく
人間もこの7つのフェーズを巡って成長していきます。人生を構成する8つの領域それぞれが、どのフェーズにあるかを知ることができれば、次のフェーズに向けて何をしていけばいいのかが明らかになります。
例えば、健康の領域がカオスのフェーズであり、健康状態が今一であった場合、何かをドロッピング・オフすればこのサイクルが動き出します。具体的にいうと、お酒や睡眠の質を妨げる夜のスマホ等を、辞めていくのです。そして、サイクルが動き出すと、次の成長に向けた展開がなされていきます。次の成長に向けた行動に繋げるためにも、まずは人生の8つの領域それぞれのフェーズを明らかにしてまいりましょう。
○現在の人生を作っているプラスのビリーフとマイナスのビリーフを洗い出す
心理学的には、我々の人生を作っている根本はビリーフだと言われています。ビリーフとは、私たちが信じているものになります。「人生とは、辛いものだ」とか「人生とは、楽しいものだ」等といったもので、沢山のビリーフが私たちの中にはあります。仮に「人生とは、辛いものだ」と信じていれば、辛い人生が繰り広げられることになります。逆に「人生とは、楽しいものだ」と信じていれば、楽しい人生が繰り広げられていくのです。ですので、現在の人生を作り上げているプラスのビリーフとマイナスのビリーフを見つけていきましょう。以下に、働きがいや生きがいをもたらすプラスのビリーフ例と働きがいや生きがいを見失わせがちなマイナスのビリーフ例を上げておきますので、参考にしてみてください。
・働きがいや生きがいをもたらすプラスのビリーフ例
「働くとは、喜びである」
「私は、やりたいことが出来る」
「私は、人脈に恵まれている」
「世の中には、チャンスが豊富だ」
「人生とは、楽しい旅だ」
等々
・働きがいや生きがいを見失わせがちなマイナスのビリーフ例
「働くとは、苦行である」
「私には、やりたいことをやり遂げる力が無い」
「私は、人に恵まれない」
「私は、チャンスに巡り会えない」
「人生とは、苦しみの旅だ」
等々
以上、ここまで今の状態が明確になれば、働きがいや生きがいを自身に育む土壌ができてきます。次は、その土壌に働きがいや生きがいの種を植えていきましょう。
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